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    会社と社長の取引

    金銭の貸し借り

    会社を設立したら、もちろん会社の金庫と社長の財布とはきちんと分けなければなりません。しかし経営者は、会社の資金繰りが苦しくなれば自分の貯金をつぎ込まなければなりませんし、また逆に、個人的にお金が必要になったとき、一時的に会社に立て替えてもらうことがあるかもしれません。

    このような、会社と経営者一族との間での資金の貸し借りが生じた場合、税務上は次のような点に注意する必要があります。


    ◆金額を明確にする

    最も肝心なことは、金銭の貸借はすべて帳簿に記録を残すことです。帳簿につけずに会社からお金を引き出すと、税務署は社長にボーナスを払ったものと推定するため、源泉所得税の課税問題が発生してしまいます。ですから、何月何日にいくらを貸した(借りた〉のか、その返済状況はどうなっているのか、すべて明確にしなければなりません。また金額が大きいときは、金銭消費貸借契約書を作成すべきです。


    ◆金利を徴収する

    金銭の貸借となると、必ず金利が問題になります。この場合、会社が社長に貸すケースと、逆に社長が会社に貸すケースでは、取り扱いが大きく違います。

    まず、会社が社長に貸すケース。法人は営利を目的に存在していますから、銀行に預ければ金利がもらえる資金を社長に無利子で貸すという行為は認められません。ですから、貸付金には、期間に応じた適正な金利を徴収しなければなりません。税務調査で無利子貸付けが指摘された場合、「利息の認定課税」といって本来の金利分の利益を必ず修正申告させられます。この場合の利率は、市場金利等を考慮して、適正な率を適用するようにしましょう。

    次に社長が会社に貸すケース。この場合は、会社は利息を払わなくても大丈夫です。社長にとっては利息を受け取りたいでしょうが、受け取った利息は「雑所得」となり、個人で確定申告をする必要があります。受け取らない場合には、税務の解釈としては、会社は一旦利息を支払い、改めてその金額を社長から贈与されたことになりますので、支払利息と受贈益が両建てのうえ相殺されて、会社に課税は発生しないことになります。

    また個人は、実際に受け取る権利の確定した収入のみが課税されますので、こちらも問題ありません。このように個人が会社に資金提供した場合には、金利の支払いをしなくても問題はありません。


    不動産の貸し借り


    会社と会社役員等との間で不動産の賃貸が行なわれる場合にも、上記の場合と同様に考えます。


    ◆会社から個人への貸付け

    会社が所有する不動産、あるいは会社がほかから賃借した不動産を社長などに貸し付けた場合、賃借した社長等は会社に適正な家賃を支払う必要があります。

    たとえば、相場が20万するのに5万しか支払わないと差額の15万円は毎月会社から社長へ給料の追加払いが行なわれたものと認定されます。したがって、本来の役員報酬にその差額が上乗せされたものとして所得税が追徴課税されることになります。

    ただし社宅家賃に限っては、特に豪華な物件でない限り、安価な賃料でも認定課税される危険性は少ないです。公務員や上場企業の社員などが、数万円程度の家賃で社宅住まいをしているという話はよくあります。世間相場としての社宅家賃程度の金額を会社に支払っておけば、さほど問題になることはありません。



    ◆個人から会社への貸付け

    社長個人が所有する不動産を、店舗や事務所などのために会社に貸し付けた場合、安価な家賃設定でも問題になることはありません。むしろ無償で賃貸しても大丈夫です。

    もっとも、家賃を支払えばその金額は個人の不動産収入となり、その収入からは不動産の固定資産税や修繕費・減価償却費などの経費を差し引くことができるので、会社に家賃という経費を発生させても、個人負担の経費の範囲内なら個人に課税所得が生じることはありません。したがって賃料の設定次第で、会社と個人間で節税することが可能です。

    なお、相場よりも不相当に高い賃料の設定をすると、その差額はやはり役員報酬の追加払いと認定される可能性があります。



    財産の売買


    役員が会社との間で不動産やゴルフ会員権などの売買を行なうときは、商法上、取締役会の承認を得ることが必要です。これは取締役が自らの地位を利用して私利を図ることのないように監視することを義務づけるもので、会社を保護するためのものです。ですから、社長等が会社との間で財産の売買を行なうときや、金銭の貸借などを行なうケースでは、そのことを承認する取締役会の議事録を作成しておきましょう。

    また、税法においては契約された取引金額が市場価格(時価)と比べて大きく違わないか、という点は重要です。たとえば、社長が所有する不動産を会社に売却したとすると、時価3000円なのに契約額が1000円だったら、社長は3000円で売却した後に差額の2000円を会社に贈与したものと見なされます。ですから、社長に売却対価を3000円として譲渡所得が課税され、会社は2000円の受贈益を認定されて法人税の負担を強いられます。

    一方、時価が1000円で契約金額が3000円の場合、会社は不当に高い買い物をさせられたことになり、時価との差額の2000円は会社が社長にボーナスを支払ったものと見なされます。役員賞与は損金に算入されないので、この場合にも会社と個人の両方に新たな税負担が生じます。


    日当など


    役員の報酬は毎月一定の時期に定額で支給するべきですが、出張日当や慶弔費等の取扱いはこの限りではありません。あらかじめ作成された社内規程に基づき一定の基準で支給される日当や香典等は、その金額が社会通念上相当な範囲のものであれば、支払う会社において通常の損金として扱われ、かつ、受け取った役員に課税されることもありません。

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    テーマ : 独立・開業
    ジャンル : ビジネス

    納税資金のリスクにもなる消費税


    消費税は、赤字でもほとんどの場合において納税額が発生します。

    本来は、売上代金に上乗せしてお客から預かった税金ですから、これを納めるのは当然なのですが、消費税分の資金を別の口座にとっておく人はほとんどいません。

    したがって、「税金を預かっている」という意識をなかなか持ちにくいため、それを「1年分まとめて払いなさい」と突然言われると、資金繰りに窮することが少なくないのです。

    消費税は今後上昇していくことが予想されますので、納税資金に関するリスクはますます高まっていくものと思われます。会社設立したら、税金の話が苦手だとしても、消費税の概略だけは把握しておくべきでしょう。

    なお、消費税は、事業者がお客から税金を預かっているかどうかに関わらず課されます。

    売上が1万500円なら、そのなかに税率5%の500円の消費税が含まれていることになります。ですが、売上が1万円でもやはりそのうちの5%( 1万円×0.05=476円 )が預かった消費税とみなされます。したがって「私はお客から消費税を預かっていないので、国に納める税金はありません」という言い訳は成り立たないのです。

    後述するように、預かった税金をそのまま全額納付するわけではありませんが、やはり一定期間の税額を合計するとそれなりの金額になります。会社設立して消費税を納める事業者になったら、顧客に対して販売価格とともに消費税額を明記して、適切な価格転嫁(販売代金に消費税を上乗せして回収すること)をすることが必要です。


    ◆簡易課税制度で納付額の計算を簡単に

    消費税は課税売上高(売上高から返品・値引き・割戻しなどの金額を差し引いた金額)にかかる消費税から課税仕入高(仕入高から返品・値引き・割戻しなどの金額を差し引いた金額)にかかる消費税を控除した額を納付し、これを本則課税といいます。

    しかし、計算手続きが煩雑なため、課税売上高が5000万円以下の小規模事業者の場合には、「簡易課税制度選択届出書」を納税地の税務署に届け出て、課税仕入高の計算を簡易にすることができます。

    簡易課税制度とは、仕入控除税額を、課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。


    ◆みなし仕入率


    ○第一種事業(卸売業)→90%
    ○第二種事業(小売業)→80%
    ○第三種事業(製造業等)→70%
    ○第四種事業(その他の事業)→60%
    ○第五種事業(サービス業等)→50%

    簡易課税制度を適用した場合、以下のように納付税額を算出します。

    納付税額=課税売上高にかかる消費税-(課税売上高にかかる消費税×みなし仕入率)


    ◆課税事業者と免税事業者

    会社設立したからといって、すべての法人が直ちに消費税の納税義務者になるわけではありません。

    法人には、消費税を納めなければならない「課税事業者」と、納める必要のない「免税事業者」の2種類があります。

    その境界線は「売上高が1000万円以下であるかどうか」にかかっています。

    つまり、年間の課税売上高(消費税が課税されるべき売上高のこと)が1000万円以下の小さな会社なら、消費税の申告をする必要もなければ納税義務も生じないのですが、1000万円を超えると申告納税の義務が生じるというわけです。

    課税売上高が1000万円を超えて課税事業者に該当するときは、課税事業者の届出を行います。また、課税事業者であった個人事業者が法人成りした場合には、速やかな事業廃止の届出が必要です。また、法人へ商品や車、パソコンなどの資産を譲渡した場合には、その金額も含めて申告しなければなりません。


    ◆課税事業者のほうがトクな場合

    注意しなければならないことは、免税事業者は申告納税の義務がないかわりに、還付を受けられるケースでもその権利を行使できない、ということです。

    すなわち免税事業者は、消費税とは一切関係がない事業者という扱いであるため、ときにはあえて課税事業者になっておいたほうが有利なこともあり、そのための特例措置も設けられています。ちなみに1OOO万円と比較する課税売上高は、次に述べるように2年前(これを基準期間といいます)の実績の数値によることになっています。

    特例措置とは次のようなものです。消費税は「お客から預かった税金」から「自分が支払った税金」を差し引いた残額を納税する制度であるため、前者よりも後者の方が多ければ、差し引いた残額がマイナスになることがあり、その場合にはその差額を税務署から還付してもらえます。

    ところが免税事業者は、申告の義務がないと同時にその権利を行使することも認められないため、還付を受けられないのです。

    輸出業者であったり、会社設立当初の大きな設備投資(店舗の内装工事や備品・車の購入など)がある場合には支出が多いものです。場合によっては支払った消費税額の還付を目的に、あえて課税事業者になっておいた方がよいこともあります。

    そのような状況を想定するなら、設立事業年度の期末までに「消費税課税事業者選択届出書」を提出すれば、最初から課税事業者になることができます。免税事業者から課税事業者への変更の場合には、課税事業者になろうとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税課税事業者選択届出書」を提出します。

    ただし、いったん課税事業者を選択すると2年間はそのままになります。有利であるか不利であるかを慎重に見極めて判断してください。


    ◆基準期間について

    前述のように、小さい会社は消費税の申告も納税もしなくてよいし、また税金の計算を簡単に済ませられる「簡易課税制度」という特例を利用することもできます。

    では、自分の設立した会社が大きいかどうかをどうやって判別するのでしょうか。

    資本金や従業員数などさまざまな基準がありますが、消費税では2年前の売上高によることになっています。

    というのは、たとえば3月決算の会社が4月1日にお店を開けて最初に来たお客に商品を売るとき、自分が大きい会社ならお客から消費税をもらわなければなりませんが、小さい会社ならその必要はありません。しかしその年度の売上総額が決まるのは、はるか先の来年の話ですし、かといって前期の売上もまだ決算が確定しない今期の初日では何とも言えません。

    というわけで、一番最近の一番確実な数字は、2年前(2期前)の売上高ということになったのです。このように、消費税法では2年前の期間のことを基準期間と呼び、あらゆる判定にその基準期間の数値を用いることにしています。基準期間はとても大切な概念なので、ぜひとも覚えておいてください。


    ◆設立後2年間はおトク?

    消費税においては、中小事業者の納税事務負担の軽減などに配慮して、設立1期目および2期目では納税義務が免除されています。

    すなわち、設立してから2年間は「2年前」、すなわち基準期間がないため、基準期間の課税売上高はゼロ(=課税売上高1000万円以下)であり、したがって免税事業者として扱われるのです。

    ですが、免税事業者がお客から消費税をとることを禁止する法律はありません。かつてさかんにいわれた「益税」とはこのことで、消費者が負担した消費税が国に届かずに事業者の懐に入ってしまいます。

    そこで現在では、資本金が1OOO万円以上である法人は、基準期間がない設立後2年間については、必ず消費税の申告と納税をしなければならないこととされています(これを「新設法人の特例」といいます)。第3期目になると初めて基準期間ができるので、そこから先は実際の基準期間の課税売上高の大きさによって、課税か免税かを判定します。

    すると、たとえば資本金500万円で会社設立するなら、設立後2期間はお客から消費税を預かってもこれを納税する必要はありません。また、資本金1000万円の会社が設立第1期と第2期に申告納税をしたとしても、第1期の売上高がそれほど大きくなく1000万円以下ならば、第3期目は免税事業者ということになって、やはり消費税の申告納税の必要がなくなります。おかしな制度ではありますが、会社設立する人には大変ラッキーな話だといえるでしょう。

    ちなみに設立第1期目が12か月フルにあるというケースはまれで、事業年度の設定のしかたにより数か月程度少ないことがほとんどです。

    この場合には、第1期目の課税売上高をその月数(1か月未満の端数は切り上げ)で割り算し、これを12倍した金額をもってその期間の課税売上高とみなすことになっています。


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    青色申告について


    青色申告について


    ◆国民に記帳習慣を定着させるシステム

    わが国の法人税の計算や確定に関しては、国ではなく、自分で計算して税務署に申告し、その申告に基づいて自ら納税するという方法を取っています。この方法は申告する段階では他人が関与することがないので、悪意があれば簡単に脱税できてしまいます。

    こうした問題に対処するのが、税務署です。

    国民は、税務署が調査に来たらこれを受け入れなければならなりません。しかし、会社がどうやって利益を計算したのか、記録を残していなければ計算の誤りや故意による脱税を指摘しようがありません。

    公平で公正な申告納税制度を維持するためには、国民がみな帳簿を備え、取引を適正に記録して、これに基づき所得金額を算出し、しかもその記録を保存して後日チェックできる体制を整えていることが必要です。

    このような観点から、国民に記帳慣習を浸透させるためのシステムとして、青色申告という制度が導入されました。帳簿に取引を記録し、保存している会社は、青色の用紙で申告書を提出すれば、税制上様々な特典を受けられます。


    ◆青色申告の承認申請

    青色申告は、会社があらかじめその適用を受ける旨の申請をした場合に限り適用されます。

    すなわち青色申告の適用を受けようとする法人は、その適用を受けようとする事業年度の開始の日の前日までに、また新規設立の場合には設立後3か月を経過した日とその事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに、それぞれ「青色申告の承認申請書」という書類を所轄税務署長に提出します。

    そしてその対象となる事業年度の末日までに税務署から何の通知もなければ、その日において承認があったものとみなされます。

    めったに税務署から通知されることはないので、会社を設立したらとにかく3か月以内または期末までに青色申告の承認申請をすれば、設立第1期目から自動的にその適用が受けられます。


    ◆青色申告法人の義務

    青色申告の適用を受ける法人は、帳簿書類を備え付けて、これに取引を記録し、その帳簿書類を最低7年間は保存しなければなりません。

    帳簿の形式に関する法律の規定はないので、それぞれの会社で自由に利用することができます。

    具体的には、複式簿記の原理に基づき、総勘定元帳、売上帳、仕入帳、金銭出納帳、銀行勘定出納帳、受取手形帳、支払手形帳・固定資産台帳などを記帳します。また決算に際して作成した棚卸し表・期中の取引について取引相手から受け取った契約書、領収書、請求書なども保存すべき書類に含まれます。


    ◆経理帳簿と会計ソフト

    税制上、青色申告の承認を受けた法人は、さまざまな特典の適用があります。代表的な特典には次のようなものです。

    1、法人税額の特別控除

    試験研究費の額が増加した場合、中小企業者が機械等を取得した場合、事業基盤強化設備を取得した場合など、そのときどきの経済情勢に応じて一定の算式に基づいて計算した金額を納めるべき法人税額から控除できる各種税額控除制度が設けられるが、認められているのは、ほとんどが青色申告の承認を受けている法人です。


    2、欠損金の繰越控除

    法人の課税取得は事業年度単位で計算し、ある年度の損益は原則、ほかの年度の損益に影響させません。ただし決算が赤字となった場合、青色申告をしている事業年度において生じた欠損金については、翌年以降7年間にわたって繰り越し、繰り越した年度の所得から差し引きすることができます。


    3、特別償却・割増償却

    青色申告法人が特定の減価償却資産を取得した場合には、通常の減価償却費に加えて所定の特別償却費または割増償却費を損金の額に算入することができます。


    4、更正の制限

    税務署が税務調査を行ない、会社の申告内容の誤りを職権で訂正することを「更正」というが、青色申告法人に対して更正を行なう場合には、会社の帳簿を調査してその計算に誤りがある場合にのみ更正が認められ、帳簿の調査を経ずに収入等を推計することは認められません。つまり、帳簿書類がそれだけ尊重されるということです


    ◆承認の取消

    税務調査等により、青色申告法人が帳簿の記帳、保存義務を履行していないと認められた場合には、その法人の青色申告はその履行していないと認められる事業年度にさかのぼって取り消されることがあります。

    この場合、その取り消された事年度において各種特典の適用を受けていたときは、青色申告の取り消しと同時に特典の適用も取り消されるので注意が必要です。

    特に欠損金の繰越控除制度などは、青色申告の取り消しで翌事業年度以降に多額の税負担が生じる可能性がありますから、よく帳簿の記録や保存にはよく注意しましょう。


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    減価償却について


    減価償却について


    ◆費用配分の法則

    自動車販売会社は、販売用の自動車をメーカーから購入します。運送会社も、迎送用の自動車をディーラーから購入します。この場合、購入する自動車が同じ車種であったとしても、経理上の取扱いは異なってきます。なぜなら、前者は他者に販売するために、後者は自らが使うために購入するものだからです。

    会計では前者を棚卸資産、後者を固定資産と呼びます。

    棚卸資産は、それを購入した時点では資産ですが、顧客に売れた瞬間にその全額が売上原価というコストに振り替えられます。これに対して固定資産の購入価格はどのように処理すべきでしょうか。

    これには二つの考え方があります。

    一つめは、購入時点でその全額を費用に計上するという方法です。棚卸資産と同様に、使い始めたら一括でその年度の経費にしてしまうという考え方です。しかし1台1台の自動車は単年度で消えてしまうわけではないので、やはりこれは実態に即していないというべきでしょう。

    そこで二つめの方法として、資産の購入価格をその資産が使用される年数にわたって徐々に経費にしていくものが考案されました。

    このように、資産の取得価額を複数年度にわたって費用に振り替えることを減価償却といい、その経費計上額を減価償却費と呼びます。また、減価償却される物品を減価償却資産と呼びます。


    ◆減価償却は仮定計算

    たとえば、自動車を100万円で購入した場合、大雑把に言えば、5年使えるなら1年あたりの減価償却費は20万円ですが、2年しか使えないものなら50万円になります。

    しかし、現実問題として、その自動車の使用可能期間は購入時点ではわかりません。また各社が独自の判断で耐用年数を見積もったのでは、同じ金額の減価償却資産でも1年あたりの償却費に差が生じてしまい、課税上不公平になります。

    そこで税法は、資産の種類ごとの耐用年数をあらかじめ決定して公開し、これに沿って各事業年度の償却費を計算することを要求しています。

    そして、その耐用年数が満了する前に廃棄する場合には、その時点での未償却残額(帳簿価額)を一括して除却損として損失計上することにしています。つまり減価償却費は、個別の事情を問わない仮定計算のうえに成り立っているのです。


    ◆減価償却の方法

    減価償却費の計算方法にはいくつかの種類がありますが、その代表的なものは定額法と定率法です。

    いずれの方法を選択した場合も、償却費の累計額はほぼ一致しますが、定率法は当初の償却費が最も大きく、次第に逓減していくという特徴があります。以下にその計算方法を紹介します。


    1、定額法/毎期一定額を費用として償却する

    定額法の償却費 = その資産の取得価額 × 0.9× 耐用年数に応じる定額法償却率

    ※0.9を掛けるのは、残存価額を10%と仮定しているためです。したがってソフトウェアや営業権などの無形固定資産について償却計算をする場合には、残存価額がないので0.9は掛けません。

    例:ノートパソコンを30万円で購入(1期目の使用月数は9か月)

    1年目:30万円 × 0.9 × 0.250 × 9/12 = 50625円

    2年目:30万円 × 0.9 × 0.250 × 12/12 = 67500円


    2、定率法:毎期一定率を費用として償却する

    定率法の償却費 = その資睦の期首未償却残額(購入初年度は取得価額) × 耐用年数に応じる定率法償却率

    例:ノートパソコンを30万円で購入(1期目の使用月数は9か月)

    1年目:30万円 × 0.438 × 9/12 = 98550円

    2年目:(30万円 - 98550円)× 0.438 × 12/12 = 88235円


    ◆減価償却の方法の選択

    上記のように両者の計算を比較してみると、そこには次のような特徴があることがわかります。それぞれの特徴をよく理解して、採用する償却方法を選択してください。

    ○メリット

    ・定額法→毎期同額の償却費が計上されるので、計算が簡単で経費予算が立てやすい

    ・定率法→定額法に比べ早期に多額の償却費が計上されるので、節税効果が大きい


    ○デメリット

    ・定額法→資産の中古化、陳腐化の価値減少の実態に即していない

    ・定率法→未償却残額を計算の対象とするため、償却費の計算が複雑


    また、償却方法を選択する場合は、納税地を管轄する税務署まで、窓口に持参または送付にて届ける必要があります。

    設立第1期の確定申告書の期限(中間申告がある場合は中間申告の提出期限)までに提出してください。用紙は最寄の税務署にて入手することができます。


    ◆償却計算の注意点

    会社設立すると、減価償却の方法は自ら選択することができます。
    ただし、次の点には注意が必要です。

    ○建物(事務所・店舗・工場・倉庫など)、無形固定資産(商標権・意匠権・特許権・ソフトウェア・漁業権など)、生物は、必ず定額法で償却しなければなりません。


    ○上記以外の資産については、原則として定率法が適用されます。ただし予め届出をして、それ以外の方法を採用することもできます。その場合には、採用しようとする事業年度の開始の日の前日(設立初年度は期末)までにその旨の届出をすることが必要です。

    ○取得価額10万円未満の資産は減価償却資産に計上せず、消耗品費等で経費処理ができます。

    ○取得価額が10万円以上でも20万円未満であれば、その年度に取得したそれら少額資産を3年均等で一括償却することができます。また資本金が1億円以下の中小企業および個人事業者で青色申告をしているものには、取得価額が30万円未満の資産についてその取得価額の全額を償却できる特例(1年度当たり300万円を上限とする)が用意されています。

    書画骨董・美術工芸品などの、価値が減少しない資産は減価償却できません。


    ◆償却費の計上は任意

    減価償却費は、耐用年数という仮定の利用期間に沿って、毎期計上していくべきものです。そうすることによって初めて、資産の取得価額が適正に費用化されるからです。

    しかし法人税では、損金に算入される償却費は法人が損金経理した金額を限度とする、と規定されています。つまり会社が損金経理しなければその期の償却費はゼロになるわけで、これが「任意償却」といわれる所以なのです。

    会社は、時として決算書の見栄えをよくしなければなりません。

    そのため、出費を伴わない減価償却費を調節することで、赤字を黒字にしたり、黒字の金額を大きく見せたりすることが可能になっています。もちろん、専門家にはそのような小細工はすぐに見破られてしまいますが、法律が認めた利益調節の方法があるということは覚えておきましょう。


    ◆棚卸資産と評価方法

    棚卸資産には、次のようなものがあります。

    ○商品/販売目的で外部より仕入れたもの

    ○製品/販売目的で自社で製造したもの

    ○半製品/製造過程にあり、そのままの状態でも販売できるもの。自動車のモーター、和菓子屋の餡など

    ○仕掛品/製造過程にあり、現に仕掛かり中のもの

    ○半成工事/製造過程にあり、現に仕掛かり中のもの。造船業などで使われる。建設業では未成工事と呼ばれることもある

    ○原材料/製造にあたり必要な原料や部品などの材料、燃料など

    ○貯蔵品/事務消耗品、工場消耗品などのうち、未使用で貯蔵されているもの。梱包資材や事務用品など


    期末に残ったこれらの商品や製品などは、棚卸資産として貸借対照表に記載されます。したがって、期末にこれらの資産がある場合には貸借対照表に記載するため、適切な方法で金銭に換算しなければなりません。これを、棚卸資産の評価といいます。

    評価方法には大きく分けて原価法と低価法の2種類があり、原価法はいくつかの方法に分かれます。これらの方法は、減価償却資産の償却方法と同様に、会社が任意で選択することができますが、選択した方法によってその期の損益に大きな影響が出ます。

    したがって、評価方法の選択の際には、資産の種類ごとに納税地を管轄する税務署長に評価方法を届け出なければなりません。

    届出期間は、減価償却の償却率の届出と同じく、設立第1期の確定申告の提出期限(中間申告がある場合は中間申告の提出期限)までとなっています。


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    交際費について


    交際費について


    ◆交際費とは

    税法でいう「交際費等」とは、交際費、接待費、機密費その他の費用のうち、特に法人が、その得意先・仕入先・その他事業に関係のあるところに対して接待・供応・慰安贈答などのために支出する費用をいいます。

    ただし、次に掲げる費用は交際費等から除かれます。

    ○専ら従業員の慰安のために行われる運動会・演芸会・旅行などのために通常要する費用
    →これらは福利厚生費として扱われます。

    ○飲食等のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用

    →上記費用の金額基準である5,000円の判定は、法人の適用している税抜経理方式、又は税込経理方式により算定した価額により行います。

    →社外取引先との飲食費のうち、1人当たり5000円以下のもの。ただし特定の役員、社員のみのために支出されるいわゆる「社内交際費」には、この金額基準は適用されません。

    なお、これら2つの規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。

    ・飲食等の年月日
    ・飲食等に参加した得意先、仕入先、その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
    ・飲食等に参加した者の数
    ・その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地(店舗がない等の理由で、名称又は所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の名称、住所等)
    ・その他参考となるべき事項


    ○その他の費用

    ・カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他のこれらに類する物品を贈与するために通常要する費用
    →これらは接待や供応のためというより、主として広告宣伝的効果を意図して支出されるものであるため、交際費等から除かれ、広告宣伝費として扱われます。

    ・新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用
    →これらの費用も、不特定多数の者に対する広告宣伝費としての性質を持つため、交際費等には含まれないものとされ、広告宣伝費として扱われます。

    ・会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用
    →これらは会議費として扱われます。


    ◆寄付金とは

    寄付金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与のことです。

    一般的に寄付金、拠出金(年金や保険の掛金)、見舞金などと呼ばれるものは寄付金に含まれます。

    ただし、これらの名義の支出であっても交際費等、広告宣伝費、福利厚生費などとされるものは寄付金から除かれます。したがって、金銭や物品などを贈与した場合に、それが寄付金になるのかそれとも交際費等になるのかは、個々の実態をよく検討した上で判定する必要があります。

    ただし、次のような、事業に直接関係のない者に対する金銭贈与は、原則として寄付金になります。

    1、社会事業団体、政治団体に対する拠出金
    2、神社の祭礼等の寄贈金

    つまり、具体的に交際費になるのは、取引先への香典や各種祝金などの慶弔費、飲食代やゴルフプレー代などの接待費、中元や歳暮の贈答費などです。

    会社が交際費の勘定を使わずに販売促進費や広告宣伝費などの科目で処理していても、一つひとつの支出の実態に沿ってその区分が判断されるので、税務上の交際費に該当する支出は必ず交際費勘定に計上することが望ましいでしょう。

    このように実務では、税務上の交際費とそれ以外との区分が常に問題になります。交際費でないものを交際費に計上すれば余計な税負担をすることになりますし、逆の場合には税務調査で修正申告を余儀なくされるからです。特に次のような支出には注意しましょう。

    1、社員への福利厚生のつもりでも、特定の役員・社員だけのために行なう慰労会等の費用は交際費になります。社内規程に基づかない社員への慶弔費等も同様です。

    2、会議に際して、通常会議を行なう場所において供与される昼食の程度を超えない飲食代は交際費にする必要はありません。したがってレストランなどでの支払いでも、また若干の酒類を伴ったとしても、1人当り数千円程度であれば交際費にしません。

    3、ゴルフコンペなどを主催して参加者から参加費を徴収する場合には、その参加費を交際費と相殺することは認められません。支出総額を交際費、参加賞は雑収入に両建てすることが求められます。


    ◆なぜ損金不算入か

    次に、交際費・寄付金がどのように扱われるかを見てみましょう。

    会社の決算書では経費に算入されているのに、法人税の計算では経費に算入されない(税金の世界では「損金に算入されない」といいます)費用項目のひとつが、交際費なのです。

    他には、「役員報酬について」に記載されている役員賞与と「寄付金」が代表的です。

    交際費が損金に算入されないのは、「飲食によって納める税金が減るのは不適当である」という考え方によります。

    また接待の相手方は接待で得をするのに、その利益に対して所得税が課税されないから、という考え方もあります。このような理由から、法人が支出する交際費のうち一定額は損金に算入されません。

    次に寄付金ですが、寄付金はもともと何らかの売上や利益を上げるための経費ではありません。無償で贈与するのが寄付金ですから、営業経費でないことは明らかです。したがって寄付金は、本来であれば全額損金不算入のはずですが、会社にも一定のつきあいがあること、国や公益法人への寄付など公的な寄付を奨励する必要があること、等の理由から一定額の損金算入が認められています。

    このような損金算入について制約のある科目は、決算書上は一旦営業経費として計上されますが、法人税申告書の別表四において損金不算入額を利益に加算します。

    すなわち、加算額分だけ課税対象金額が増加するのです。


    ◆交際費の損金不算入額

    交際費のうち、損金に算入されない金額は、次の算式によって計算します。


    ○期末の資本金が1億円以下の法人

    損金不算入額 = 支出交際費の額 - 支出交際費額と定額控除額のうちいずれか少ない額 × 90/100

    ※定額控除額は、400万円 × 当期の月数/12で計算した金額。


    ○期末の資本金が1億円を超える法人

    損金不算入額 = 支出交際費の全額


    すなわち、資本金が1億円以下の一般的な中小法人であれば、1年間の支出交際費が400万円以下なら一律にその10%が、400万円を超えていれば360万円を超える金額が、それぞれ損金不算入額となります。

    例えば、年間交際費が300万円なら30万円(300万円 × 10%)、600万円なら240万円(600万円 - 400万円 × 90%)が損金不算入額として利益に加算されることになります。

    資本金が1億円を超える法人は、支出額の金額が損金不算入とされます。


    ○寄付金の損金不算入額

    寄付金は、次の算式により計算した損金算入限度額を超える部分の金額が、損金不算入額として利益に加算されます。


    1、資本金基準額 = 期末資本金 × 事業年度の月数/12 × 0.25%

    2、所得基準額 = 年間所得金額 × 2.5%

    3、損金算入限度額 = (① + ②) × 1/2


    たとえば、資本金が1000万円で年間の所得金額が100万円の会社の場合、損金算入限度額は

    2万5000円((1000万円 ×0.25% + 100万円 × 2.5%) × 1/2)

    となります。寄付金を100万円支払っても1000万円支払っても、わずか2万5000円しか損金に算入できないのです。

    このように、寄付金はほとんど経費にならないと思って間違いありませんが、国や地方公共団体に対する寄付金、財務大臣があらかじめ指定した寄付金などの公益性が高いものについては、上記の枠とは別にその支払額の全額が損金に算入できることになっています。

    したがって国等に対する寄付金は、寄付による節税効果が生じるので、その点も考慮に入れたうえで寄付の意思決定をするようにしましょう。


    ◆知らぬ間に寄付金になってしまう?

    寄付金は無償の贈与であり、自らの自由意思に基づき支出するものですが、税務ではそのような寄付金以外にも寄付金と認定する考え方があるので注意しなければなりません。

    たとえば、時価1000万円の不動産を取引先に300万円で売却した場合、資産を一旦1000万円で売却して対価を受け取り、改めて700万円を寄付したものと認定されてしまいます。回収が滞っている債権を明確な理由がないままに放棄するようなケースも、寄付金と認定されるのです。

    すなわち、通常の経済取引ではあり得ないような相手方に利益を与える取引は、そのほとんどが寄付金になるということです。

    寄付金と認定されれば、寄付した側の税負担は確実に増えてしまいます。そのようなことにならないよう、これから行う取引が世間の一般常識から外れていないかどうか、常に客観的に考えなければなりません。


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